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2023年7月25日

[新機能] ユーザー、チャンネル、ワークスペース全体へのカスタム・インストラクション

(2023 年 7 月 30 日に更新されました)

2023 年 7 月 20 日、OpenAI は ChatGPT のカスタム・インストラクション機能をリリースしましたが、弊社にも、お客様から同様の要望が届いておりました。それにお応えし、当社の製品 "Q, ChatGPT for Slack with Plugins"にもこの機能をリリースいたしました。この機能は本日 2023 年 7 月 25 日から利用可能で、こちらからアクセスできます。

本機能により、ユーザー、チャンネル、ワークスペースの単位でカスタム・インストラクション(インストラクション=指示・命令文のような文章を指す)を登録できるようになりました。以下に、この機能をどのように活用できるかをご紹介していきます。

Q, ChatGPT for Slack with Pluginsにおけるユーザー、チャンネル、ワークスペース全体のカスタム・インストラクション

ユーザー固有のインストラクションに対するユースケース 👤

ユーザー固有もしくはユーザーが属するチームやプロジェクトに合わせたカスタム・インストラクションが登録可能です。例えば:

  • 例 1: 「AI を用いた新規事業開発」というプロジェクトを進めている場合は、プロジェクト名とその目的を登録しておけば、毎回自分が従事するプロジェクトを説明する手間を省けます。
  • 例 2: 「アジャイル思考をベースに」など、自分の思考プロセスやそのベースについて書く場合、それらを登録しておけば、Q があなたに合った方法でレスポンスするよう促すことができます。
  • 例 3: 「5 年間営業職を経験した後、現在は 5 人の営業員を担当する営業マネージャーである」など、現在の職務役割とその履歴も含めると、Q はよりパーソナライズされたコンテクストを考慮して、あなたの質問に応答することができます。
  • 例 4: 「自分の思考を構造化して言語化するのが苦手!」といった、自分が不得意なことを含めると、Q はあなたが理解しやすいように、より構造化された方法で応答するかもしれません。

チャンネル固有のインストラクションに対するユースケース 📚

特定の目的に特化した専用のチャンネルで使用すると効果的です。例えば:

一般的な利用ケース

  • 例 5: 新規メンバー向けのオンボーディングチャンネルでは、社内のプロセス、ルール、ガイドラインを登録すると、新メンバーがより早く仕事に追いつくのに役立ちます。例えば、勤務時間の記録方法、休暇の申請方法、経費購入の申請方法、社内ツールの使用方法、新規デバイスの貸借・購入の申請方法、新しいソフトウェア・アカウントの申請方法、新規採用の申請方法、何について誰に連絡すべきかなど多岐にわたります。
  • 例 6: 翻訳チャンネルでは、使用する言語、トーン、スタイルなどの翻訳ルールを登録すると、次回以降、メンバーがより早く、より良い翻訳を書くのが楽になります。

ビジネス的な利用ケース

  • 例 7: 新規メンバー向けのオンボーディングチャンネルでは、社内のプロセス、ルール、ガイドラインを登録します。これにより新規メンバーがより速く活動に取り組むことができます。例えば、バグの報告方法、新機能のリクエスト方法、特定の領域のビジネス/技術知識について誰に連絡すべきか、などを登録できます。
  • 例 8: ミーティングなどの議事録チャンネルでは、テンプレートや書き方のルール、よくするフィードバックを登録しておくと、議事録を作成する際にメンバーの時間を節約できるかもしれません。
  • 例 9: 商談の成約率予測チャンネルでは、取引成約率の見積もりルールを登録しておくと、メンバーが商談記録を投げるだけで、より正確な予測とフィードバックを受けるサイクルが良くなるかもしれません。
  • 例 10: マーケティングのブログ作成チャンネルでは、ブログドラフトの作成ルールを登録しておけば、メンバーがブログの元ネタをまとまらない状態で投げるだけで、効率的に良質なブログを量産出来るかもしれません。
  • 例 11: 法務のチャンネルでは、契約書の書き方のルールや考慮すべき事項のチェックリスト等を登録しておくことで、抜け漏れが減り、法的リスクを減らすことが出来るかもしれません。

エンジニアリング利用の場合

  • 例 12: 新規メンバー向けのオンボーディングチャンネルでは、社内のプロセス、ルール、ガイドラインを登録します。これにより新規メンバーがより速く活動に取り組むことができます。例えば、ローカルの開発環境のセットアップ方法、リモートサーバーへの接続方法、テストデータの作成方法、テストの実行方法、デプロイ方法、サービスの監視方法、データベースが落ちた時の対応方法、特定のビジネス/技術的な知識や問題について誰に連絡すべきか、などを登録します。
  • 例 13: コードレビューチャンネルには、コードレビューのルールとガイドラインを登録してください。これにより、メンバーは自分自身のコードをブラッシュアップし、平均的なコード品質が向上します。
  • 例 14: バグレポートチャンネルには、バグレポートのルールとテンプレートを登録してください。例えば、バグの再現方法やバグの深刻さの判断方法などです。これにより、メンバーはより良いバグレポートをより早く、正確に書くことができます。
  • 例 15: フロントエンド開発チームチャンネルでは、使用している言語、フレームワーク、ライブラリ、ブラウザ、デバイス、そのバージョンを登録することで、Q が回答の範囲を絞り込むことができます。
  • 例 16: バックエンド開発チームチャンネルでは、使用している言語、フレームワーク、ライブラリ、データベース、インフラ等を登録することで、Q が回答の範囲を絞り込むことができます。

ワークスペース全体へのインストラクション 🏢

組織全体に関する横断的な情報を登録します。例えば:

  • 例 17: 組織の名前、事業・活動内容、サービス・製品内容等を登録することで、Q は各メンバーが毎回同じことを説明することなく返答することが出来ます。
  • 例 18: 主要な競合他社やビジネス環境を登録することで、Q はそれらを認識することができます。
  • 例 19: 全体のチームに適用できる会社のフィロソフィーやポリシーのようなルールがある場合、それらを登録することもできます。
  • 例 20: あなたの会社が独自の専門用語等を使用している場合、それらを登録することで Q はその意味を理解して会話出来ます。

カスタム・インストラクションの注意点

注意事項もあります。カスタム・インストラクションはあなたのトークンを消費し、そのトークンはあなたのモデルのトークン上限から差し引かれます。つまり、リクエストとレスポンスを扱えるトークン数が減少します。したがって、あまりにも多くのカスタム・インストラクションを登録してしまうと、リクエストとレスポンスにほとんど力が割けなくなる可能性があります。

特に、ワークスペース全体へのインストラクションは、ワークスペースの全てのユーザーに適用され、それぞれが Q を使用するたびに毎回適用されます。また、ユーザー固有のインストラクションも、全てのチャンネルに対し、そのユーザーが Q を使用するたびに毎回適用されます。そのため、出来る限り最も重要なインストラクションだけを登録することをお勧めします。

カスタム・インストラクションのヒントとコツ

(補足)この機能を最大限に活用するためのいくつかのヒントをご紹介します。

  • 頻繁に使用されるインストラクションを登録する。
  • 主語、述語、目的語を明確に定義する。
  • インストラクションを短く明瞭にするために、命令形を使用する。
  • 「」等の記号や「!!」を使用して重要な部分を強調する。
  • 可能であれば、Markdown を使用する。
  • 逆に禁止事項を定義する。
  • 他の言語の指示を英語に変換することで、あなたのトークンを節約する。
  • 他にも、実世界の使用例を参照してみて下さい。「Act like...」といったインストラクション等が有名です。

最後に

運用していく中で、自分たちのニーズに合ったインストラクションを洗練させていくことになるかと思います。本機能のユースケース例は上記以外にもまだまだ多く存在します。皆さんのユースケースをぜひ聞かせてください。

では、早速"Q, ChatGPT for Slack with Plugins"のカスタム・インストラクションを始めてみましょう。こちらのインストラクション設定ページからお試しいただけます。ではまた次回に。

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